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2018年1月13日 (土)

11_アルハンブラの悲哀(Granada)

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 プラド美術館で閉館近くまで粘り、徒歩10分くらいのアト―チヤ駅に行く。グラナダ行きの切符を申し込むと、87.50€、朝聞いた価格の2倍。「これしかない」という。逡巡しながらも買わざるを得なかった。翌1023日列車に乗ると、上ランクの席なのか座席がゆったりしている。

発車するとすぐに、畑地か牧草地か判然としない丘陵地帯になる。オリーブなのか、オレンジなのか低い灌木が整然と並んでいる。その並びは霞む丘の頂上まで続いている。川も交差する道路もない荒涼としたさまはポルトガルと同じだ。

英国人とも見える学生のようなカップルの男に、「No river. In Japan, cross rivers and rivers cross mountains and mountains」と話しかけたが、興味無げだ。私は若山牧水「幾山川越えさり行かば寂しさの果てなむ国ぞ今日も旅ゆく」を脳裏に浮かべていた。イベリア半島、どこまで行っても、荒涼、単調な大地、マドリッドへのフライトの中でスペイン人カップルが「日本はきれいだ、きれいだ」と繰り返していたその心象がよく分かった。

「歩き方」の路線図ではマドリッドとグラナダは連結している。コルドバを過ぎて、ANTEQUERAに着くと、乗客が皆降りる。英国人学生に聞くと「バスに乗り換えだ」という。後からついてゆくように駅舎を出るとバスが2台待っている。行き先表示は「GRANADA」、納得して乗り込んだ。

バスはグラナダ駅構内に入った。今夜のホテルの予約をしたいが、旅行案内所が見当たらない。「歩き方」の本そのものは消え失せているが、手製の大聖堂の地図に案内所マークがある。ここからは2Kmほどと遠いが、バスの乗り方が分からないから、降り注ぐ紫外線の中を歩く。ほどなく大聖堂という地点に来るとHOSTAL」と書かれた建物がある。(ホステル?)と思いつつ入ると、予約できるという。料金は安い。「HOSTAL」はHOTELのスペイン語、その後よく見かけた。

ナップザックを部屋に置いて出かけた。とにかくアルハンブラ宮殿が見たい。丘の上だから坂は急だが、乾燥しているせいか汗はかかない。地図で見ると宮殿が砦の大半を占めるが、手前には「アルカサバ()」、イスラム調の「ベラの塔」などの旧跡がある。それらを撮影してから、宮殿の入場券売り場に行くと、予約がないとだめだという。「明日なら切符を買えるか」と聞くと、「いい」というから安堵した。

坂を下れば大聖堂である。私は「エンカルナシオン大聖堂」と「王室礼拝堂」は別々の存在とばかり思っていたが一体化したもののようだ。レコンキスタを成し遂げてイベリア半島からイスラム勢力を駆逐し、コロンブスのパトロンとなってアメリカ大陸に拠点を築いたのは、フェルナンド2世、イサベル女王。そのカトリック両王の墓所である。コロンブスを主に支援したのはイサベル女王、ここを墓所と定めたのもイサベル女王だ。両王は「太陽の沈まぬ国」の創設者である。内部の壮大、華麗、豪壮さにはまさに「魂消た」との印象が残った。スペイン国民のアイデンティティの源なのではないだろうか。

24日早朝タクシーを駆って丘に登り、アルハンブラ宮殿のオープンを待って、切符を買おうとすると「予約のみ、ネットでできる」と検索先のメモをくれた。タブレットが使えない私にメモは無用だ。再びタクシーでホテルに戻った。昨日、観光相談をしていた女性が「大聖堂の近くで切符が買える」と言っていたからだ。その場所を確認し、尋ねたが、「ここではない。あちら」と23回たらい回しされた挙句、「インターネット」。ホテルに戻って案内女性に、「1万€払うから、あなたが予約してくれ」と迫った。「I can not」の英語はよく聞こえた。

出国前にギター曲「アルハンブラの思い出」を繰り返し聞いた。奏でられる哀愁はイベリア半島に残された最後のイスラム国、グラナダ王ムハンマド11世がキリスト教徒に敗れ、涙ながらに落ち延びた悲哀でもある。

時間があるからカルトゥハ修道院に行く。1517年建築開始とある。この年は、ルターがローマ教会に抗議して95ヶ条の論題を掲げた年である。修道士の活動は全欧に広がっている。彼等への迫害、拷問、処刑場面の等身大パネルがずらりと並び、ショッキングだった。

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